TAK (楊學徳)

 

タックは、香港のインディペンデント・コミックアートを代表するアーティストです。

1970年代の香港に生まれ育ち、デザイン事務所、広告代理店、出版社勤務を経て、1999年から季刊誌『コックローチ(Cockroach)』にコミック作品の発表を開始しました。


初めてイラストレーション(グラフィックソフトウェア)を用いて制作した『錦繍藍田(How Blue Was My Valley)』(2002)で、香港のインディペンデント・コミックアート界に金字塔を打ち立てました。

ネーム(=コミックにおける文字要素)を削ぎ落としたフルカラーの同作は、“コミック”という範疇を超えたアートの新しい潮流である“グラフィック・ノベル”と称され、香港で激賞された後、フランス版も刊行されました(2007年に香港で復刻版として再刊)。


以後、コミック・シーンでの賞賛をほしいままにするかたわら、スケッチやドローイング、ペインティングといった画業を『狂草集』(2008)にまとめ、香港のギャラリー「Hulahoop/フラフープ」で、個展「MAD GLASS SHOW」(2008)を催し、地元の人気カルチャー誌『TOUCH』で特集されるなど、好評を得ました。

『TOUCH』『Jet』などのカルチャー誌や『明報』(日刊紙)など、香港の大手メディアで連載されているコミックの登場人物のいくつか(ワンダー・ポー、ウルトラ・ローなど)は、キャラクターとして一人歩きし、関連フィギュアやグッズも、大ヒットしています。


2009年8月には台北での個展を開するなど、いまや国際的な注目も集めているタック。今後も、アートとコミックのふたつのシーンを繋ぐ、最重要アーティストのひとりです。

作品集に、ヒット・シリーズ『標童話集(Psychic’s Fairy Tales) 』1〜4巻(2006〜)、『不軌劇場』1〜2巻(2009〜)など。

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