Joint Publishing(三聯書店)

 

粉末都市—消失中的香港

Stella So(ステラ・ソー)著 

2008年・120ページ・237×365mm

フルカラー/中国語 (土製漫画系列)


近年、香港の再開発計画により、古くからの建物が並ぶ地区は解体の憂き目にあいました。古くからの香港の記憶は少しずつ消えて、中国本土のものによって塗り替えられています。

ステラは、本書の中で「香港の面白いものごとは、いつしか足が生え遠くに離れていってしまう」という思いを打ち明けています。その香港の伝統の素晴らしさを、ひとつひとつ丁寧に追いかけ、唐樓などの古い建物や、取り壊されてしまった湾仔の喜帖街や中環の天星碼頭(スターフェリー乗り場)、路面電車(トラム)、古い酒樓(レストラン)など、香港の伝統的な雰囲気を残していた街の光景を、忠実に絵の中にとどめています。彼女の描く世界は、少しずつ消えていく、香港でしか生まれ得ない音、色、味、すべてをイメージさせてくれるのです。2008年香港印刷物大賞受賞。

3,360円(税込)*

老少女基地

Stella So(ステラ・ソー)著 

2009年・144ページ・170×198mm

フルカラー/中国語  (土製漫画系列)


香港の日刊紙『明報』に連載されたコミック。九龍島の下町の、エレベーターなし(ステラの部屋は6階!)の古い唐楼(香港の旧式の住宅)に住み、趣味の本(日本のコミックもいっぱい! ただいまBLにハマリ中)やアンティーク(? と言っていいのやら。。実態は、閉店した床屋さんの椅子やら、フェリー乗り場などで昔よくみかけた“有料体重計”などなど)に囲まれ、猫と暮らす、自称「負け犬の腐女子」ステラの、日常雑記が、ユーモアとペーソスを交えながら語られていきます。彼女が身の回りで起きることや、母親や友人との付き合いから感じる小さな幸せや、憤り。。それは、日本で暮らす私たち「老少女(オールドガール)」にも(もちろん、老少女でないみなさんにも!)、びっくりするほどうなずけて、時にはにやにやと笑ってしまうエピソードでもあるのです。

1,890円(税込)

錦繍藍田_How blue was my valley(ハウ・ブルー・ワズ・マイ・バレー

Tak(タック)著

2007年・144ページ・196×258mm

フルカラー・函入り/中国語  (土製漫画系列)


1970年代に香港の高層集合住宅で育った少年タックが、自分と身近な人々について語る「中国返還前夜」のストーリー。目の前に広がるロストワールドの中で、ウサギ小屋のような部屋に押し込まれながら、生き抜こうとしてきた人々。返還直前(1997年)に発行された本書は、返還後の社会に対する不安を抱えながら、日常を生きる他ない香港人に、「古き佳き」香港のイメージと共に受け入れられ、ベストセラーとなりました。そして10年後、絶版を惜しむファンの声により、復刻版が発行されたのです。独特の色彩を持つイラストの美しさと、台詞の少ないストーリー展開は、コミックという形をとったアートピースのようです。中国コミックのファンや極上のイラストレーションが好きな人のマストアイテム。

3,150円(税込)*

花花世界_Fa Fa World(ファーファーの世界)

Chihoi(チーホイ)著

2009年

184ページ・120×220mm

フルカラー/中国語  (土製漫画系列)


2008年から香港の日刊紙『太陽報』に毎週連載されている四コマ漫画の書籍化。どこか沈鬱でほの暗い静けさを感じさせる世界を描き、フランスやイタリアでも人気の高いチーホイが、家族の日常に立ち戻り、父と娘のエピソードを描いた新作です。子どもの頃訪れていた祖父の家で、チーホイが夢中になって読んでいたという、1970年代の香港でベストセラーとなった王司馬のコミック『牛仔』。そこに描かれていたような香港の父と子の関係、子どもの興味や好奇心をシンプルにあたたかく見つめた作品が、この現代にはないと気づいた彼が、『牛仔』へのリスペクトから書き始めたのが『花花世界』です。

小学生の女の子「花花(ファーファー)」の学校生活と、四季の移り変わりを通して描かれる、彼女と父親との純粋で曇りのない世界は、一見もう遠い昔の話のような気がするかもしれません。でも、実は今でも私たちの日常に起こり得ることなのです。花花の新しい世界に対する戸惑いや疑問が、子どもだけでなく大人にも、あらためて自分の世界や人生観に向き合い、何かを感じるきっかけとなるでしょう。

1,680円(税込)

大紫禁城—王者的軸線

趙廣超(チュウ・クォンチュウ)著

2005年

100ページ・280×292mm

パートカラー/中国語


紫禁城。現存する最大規模の宮殿建築は、建築芸術の至宝であるだけでなく、明・清宮廷の法令制度と文化の歴史を映し出す、重要な遺産です。

対照的に引き立てあうさまざまな大きさの宮殿と広場、高さが異なる建物と人の動線の流れ、さらには天との呼応を目指して作られた、おおらかで厳粛、華麗で柔軟な王者の気概が伝わるこの空間を、午門から神武門まで南北に抜ける「王者的軸線」に沿って、イラストレーターである著者が丹念に調べあげ、図解しています。空間作りに貫かれる風水哲学や、ひとつひとつのレンガや瓦の来歴までも分析。この宮殿に住んだ皇族、大臣、宦官達の活動範囲や厳しい規律なども明らかにしています。本書は「大紫禁城シリーズ」の一冊として、故宮博物館80周年を記念して制作されました。

4,200円(税込)*

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